セールスレターをご存知でしょうか。セールス(sales)+レター(letter)なので、日本語に直訳するとセールスをする手紙・はがきのことをいいます。
インターネットが当たり前の今の時代では、ネット上にセールスレターとなるページをアップすることで、セールスレターを読んだ読み手の方が、セールスの対象になっている商品やサービスを購入する行動をとるようになるのです。
「印刷された営業マン」と例えられるように、24時間とわずあなたのために見込み客に向けて営業をしているのがセールスレターと呼ばれています。
本記事では、セールスレターを書きたくても初めてでよく分からないという方のために、セールスレターの基本構成をご説明します。
セールスレターの基本構成
セールスレターは大きく以下の4つのパーツで構成されています。
1.ヘッドライン
2.リード
3.ボディコピー
4.クロージング
また、セールスレターを構成する上で最も大切なのが「ビッグアイデア」です。
基本的には上記1~4のパーツで構成されています。では、それぞれがどのようなものなのかをご説明していきます。
Part.1 ヘッドライン
ヘッドラインとは
セールスレターの中で一番目立ち、一番最初に目に飛び込んでくる部分ヘッドラインの目的とは
注意を引かせて本文を読ませる(続きが読みたくなる)
ヘッドラインはセールスレター冒頭のタイトルであったり、キャッチコピーと呼ばれるものです。
引用元:ダイレクト出版 インスタFacebook 集客の設計図 セミナー
上図はあるセールスコピーに使われているものです。赤枠部分が「ヘッドライン」です。
どうでしょうか。ちょっと気になって続きを見たくなりませんか。注意をひいて、本文を読ませることがヘッドラインの役割です。理由はこうしたセールスレターを見た読み手は、まずレターを読もうとすら思わないからです。
注意を引けないセールスレターが表示されているページでは何の興味も持たず、ブラウザウィンドウそのものを消してしまうかもしれません。セールスレターは「セールスすること」が目的です。つまり、内容を読んでくれないことにはセールスにつながらないんです。
セールスにつなげるためには、レターを読んでもらう必要がある。だから、ヘッドラインで注意を引くことで、まずレターに興味を持ってもらう。これがヘッドラインの役割というわけです。
そのため、文字のフォントサイズは大きく設定されたり、太字で強調・色を変えて目立たせたりされます。ちなみにこの例では、細かい金額がのっています。これは、数字が具体的であるほど、信憑性が高いと思う人間心理を見越してのことです。
余談ですが見込み客の注意をひかせるためのヘッドラインのパターンがいくつか存在します。いくつかのパターンとは・・・つまりサンプルのことです。
例えば、以下のようなものです。
・たった〇〇するだけで、✕✕になれる方法
→たった5分スマホをいじるだけで、月収100万円稼げる方法
・〇〇して✕✕もできる~
→体重も落として美肌にもなれる美容法とは?
・意外性で注意を引かせる(でもウソはだめ)
→8歳で年収28億円?(実際のyoutuberの話)
セールスレターは人間の行動心理を利用して、「購入する」というボタンを見込み客自身に押させるためのものです。楽に稼ぎたいと思っている人は、簡単な方法で高額収入がとれる方法に興味を示します。肌と体型を気にしている女性にとっては、2つともきれいになれるものがあるなら知りたい、と思うはずです。
しかし注意点は、絶対に興味を引かせるためだけのヘッドラインであってはいけない、ということです。
どういうことかというと、次のようなものが当てはまります。
・内容とまったく無関係である
・嘘をついている
・根拠のとれていない情報を主張する
要するに、タイトルとレターの内容は合っている(整合性がとれている)ことが大前提です。興味を引かせるためだけに大げさな表現を使っているだとか、あおりの激しいタイトルの割に品質(商品価値)が著しく低いだとか、そういうことは結果として読み手が離れていく原因になります。
Part.2 オープニング
オープニングとは、いわゆるレターの書き出し部分にあたります。(オープニングはリードとも呼ばれる)
オープニングの目的とは
より深くセールスレターの中に見込み客を引き込むこと
オープニングはヘッドラインの続きとも言われています。ヘッドラインは、興味を引き本文を読ませるためのものです。その続きなわけですから、より見込み客が本文を読むように誘導するものじゃないといけませんよね。
リードで大切にされるのが、見込み客にはやくうなずいてもらうことです。つまり共感をえられる反応を早めにもってもらうことで、レターからはなれてしまう確率をへらします。その他に続きが気になる要素をいれておくことで、すぐにはなれないようにするのです。
赤枠部がオープニングの一例です。オープニングにも多くの型があります。上記の例では、招待パターンが使われています。
・お申込みいただいた方全員が会員になれるわけではない→あなたは特別です
・特別招待状を同封いたしました→全員に送っているわけではありません
もし、あなたは他の方とはちがって特別なんです、と言われたらわるい気がしないですよね。むしろ、わたしって他とは違って選ばれた人間なんだな、と優越感をほのかに感じてしまいませんか。
さらに気になって続きを読もうと思ってしまうのではないでしょうか。これが、オープニングの役割です。
他のパターンをご紹介すると、、、
・もし〇〇なら✕✕
→もしあなたが1回のセールスコピーでエリート会社員の年収を軽く越したいと思ってい るなら、これはあなたにとって重要なメッセージになるでしょう
・ストーリー
→25年前の美しい春の夕暮れ時、2人の男が同じ大学を卒業しました。2人はとても良く似ていました。ですが、違いもありました。それは~~
読み手に「続きが気になる!」と思わせるようにします。そうすることで、ボディコピーを読む確率も上がるのです。ちなみに赤枠で使われているレターは「アメリカン・エキスプレス」で長年にわたって結果を出し続けている古典レターになります。
Part.3 ボディコピー
ボディコピーとは、見込み客の願望や欲求をかきたてるパーツです。「商品のことをほしい!」と思ってもらう箇所ですね。ボディコピーとひとくくりにいっても実際はいくつかのパーツがあり、組み合わせることで効果を発揮します。
ボディコピーを構成するパーツ例
・ブレット
・ストーリー
・証拠
・ベネフィット
・価格
・保証
・オファー
ブレットとは、ベネフィットを箇条書きのように紹介したもので、うまく使用することで見込み客の感情を揺さぶる効果をもっています。以下のようなものですね。
出典元:Contents Writer Blog (URL:https://ynagashima.com/7step/)
ベネフィットとは
商品やサービスがもたらす見込み客にとっての利点やメリットを言い表したもの
ストーリーとは物語のことです。ヒーローズ・ジャーニーというのをご存知でしょうか。小説や映画で今でも使われているストーリー構成のことです。簡単に説明すると主人公がメンターと呼ばれる師匠に会い、困難を乗り越え成長し、活躍するのが基本シナリオになっています。見込み客をこのストーリーに当て込み、この商品を使えばどのようなベネフィットで人生が大きく変わるのか、と欲求をかきたてることで、「商品がほしい」と思うようになるのです。
引用元:ちりつも どの人の人生もみんな同じシナリオでできている!?「ヒーローズ・ジャーニー」という考え方が面白い!
証拠とは「商品が信頼できるのかどうか」を判断するための材料です。以前から知っている場合をのぞいて初めて会う人にお金を支払って商品を買うのは、普通はためらいます。理由は「信じられる人なのかどうか分からない」からです。
セールスレターで〇〇商品をすすめても、「この商品は信頼できるのか」という証拠がないと見込み客は買おうという気になりません。つまり、納得できる証拠がないと信頼できないのです。信頼してもらうためには証拠が必要であり、この証拠を伝えるパーツです。一番効果のある証拠は「お客様の声」です。
引用元:ダイレクト出版 3X VSLワークショップ
証拠を伝える方法例
1.ロジックで順序立てて説明
2.データや統計で証明
3.有名な人の推薦
4.メディアでの掲載
5.売り手が分かる写真・映像などの掲載
6.お客様の声(実績がある場合)
価格とは、見込み客が実際に支払う金額の額をいいます。価格と同じ額の金額を支払って商品を購入するのです。原則として見込み客が感じている価値よりも価格が低く提示されると、「安い」と感じます。
もし見込み客が5,000円の価値を感じている商品が、2,000円で売られていたとしたらどう思うでしょうか。当然「安い!」と感じるはずです。反対に2,000円と感じている商品が5,000円で売られたとしたら買わないですよね。価格に対しての見込み客のハードルが下がれば買う確率はあがります。
保証とは、見込み客が損をしないオファーのことです。例えば、1ヶ月間はお試し期間であったり、30日間以内の返品なら全額返金であったりします。サービス提供などの場合、試してみないと分からない部分てありますよね。仮に5万円の支払いをしたにもかかわらず思っていたのと違っていたらお金を損したと思うのが普通です。保証をつけることで、購入に対する不安を取り除く効果があります。
引用元:ダイレクト出版 インスタFacebook 集客の設計図 セミナー
オファーとは、商品やサービスを提供する取引条件すべてをひっくるめたものです。
これらを組み合わせることで「この商品やサービスを購入しないなんて損する!」と見込み客に思わせるようにします。見込み客が商品やサービスを購入することで得られるベネフィットを鮮明に思い描かせることで、商品がほしいという欲求をかきたてるようにするのがボディコピーの役割です。
Part.4 クロージング
Delay is Daeth of Sale!
遅れはセールスの死だ by ジョン・カールトン
上記の言葉を残した有名なセールスライターが言うように、セールスをするためにはその場で買わせないといけません。つまり見込み客の欲求をかきたてた後にはすぐにクロージングをする必要があります。
クロージングとは、見込み客が実際に商品を購入する手続きをすること、させることです。営業でいう契約を結ぶまでの行為をさします。
対面営業の場合、見込み客が購入をためらったらその場で後押しをしてクロージングさせます。「考えておきます」「うーん、でも」と言われて放っておいて契約にいたることはまずありえません。セールスレターの場合は、そうなる前にあらかじめ見込み客が購入をためらう理由をつぶしていくことが必要です。
セールスレターのクロージングで使われる方法
・反論処理
・いま買わないといけない理由(希少性・期限・特別オファーなど)
反論処理は対面営業でも使われています。見込み客からの反論に対しての答えをあらかじめつくっておくことで、購入を断る理由をとりさっていくようにするのです。セールスレターの場合は、Q&Aのように見込み客から言われそうなことを質問にして、その返答を書いておきます。
いま買わないといけない理由とは、例えばいま買わなかったらもう買うことはできないということを主張することです。
よく見られる方法
・期限は2日後の〇〇日23:59までです!この時間を過ぎたら販売ページは閉鎖します。再販の予定はありませんので、この機会に購入することを強くおすすめします!
・これだけの特別オファーは〇〇日12:00までに申し込みをして頂いた方のみです!
・今回の商品は20名様限定で販売します。〇〇日11:59まで申し込みを受け付けますが、販売数に到達した時点で申し込みが終了することをあらかじめご了承ください。
余談ですが、最近個人的によく見られるのは「2つの選択肢」と呼んでいるクロージング方法です。こんなような内容です。
あなたには2つの選択肢があります。
ひとつは今回の〇〇を購入しないで自分のちからで✕✕を達成すること。もうひとつは〇〇を購入し、✕✕を達成することです。しかし、自分のちからで✕✕を達成するには、相当な時間と労力が必要になります。それよりも、すでに✕✕を達成したことのある、いわばあなたの先輩が要点をまとめたこの〇〇を存分に利用した方が最短最速で✕✕を達成することが可能になるはずです。どちらを選ぶのもあなたの自由です。ですが、後悔だけはしないでください。
クロージングが成功しなければ、セールスレターの目的は達成しません。セールスを成功させるためには、セールスをする必要があります。クロージングのパーツでは、見込み客が逃げないように工夫しなければいけませんね。
Part.5 ビッグアイデア
ビッグアイデアとは
どうやって読み手を引きつけるかについてのアイデア
Q.どちらの方に興味をひかれますか
1 新しい国語教材が登場
2 あなたはこんな日本語の間違いをしていませんか?どうでしょう。おそらく、多くの人は2の「あなたはこんな日本語の間違いをしていませんか?」の方に興味を持つのではないでしょうか。両方とも国語の教材を売るためのセールスコピーです。しかし、読者を引きつける力は全然違います。次に続く文章を読んでもらうための力がまるっきり違うわけです。
(引用元:ウェブセールスライティング習得ハンドブック/著:寺本隆裕)
セールスレターでの成功要因は以下のように言われています。
ビッグアイデアが30%
ヘッドラインが25%
リード・オープニング部分が25%
その他が20%
つまりビッグアイデアがセールスレターの成功を左右する最も大きい割合を占めているということです。これだけビッグアイデアが必要な理由は、ごまんとある広告の中からこのセールスレターを見つけて読んでもらう必要があるからです。
商品の特性やジャンルによっては、似たようなうたい文句や内容になってしまいます。ダイエットなら「痩せられます」、育毛剤なら「生えます」などですが、セールスレターを書いても同じことを書いていては見つけてもらうことがとても難しくなるんです。
似たようなメッセージがあふれる中で、いかに魅力的で、いかに興味深い表現をするかを考えることがビッグアイデアです。そして、どうやって読み手に「印象」を強くあたえて忘れさせないようにするかもビッグアイデアで必要なことじゃないかと思います。
ビッグアイデアをどのようにしたら考えることができるかは、いちがいに「こうしたらよい」という回答は難しいものです。しかし、アイデアのフレームワークというのがあり、これに当てはめて考えることでインパクトのあるアイデアを生み出すことも可能です。
SUCCESS フレームワーク
Simple ・・・単純明快な
Unexpected ・・・意外な
Concrete ・・・具体的な
Credible ・・・信頼できる
Emotional ・・・感情に訴える
Story ・・・物語性のある
(アイデアのちから 著:チップ・ハーン、ダン・ハースより)
これらすべての要素がなければいけないというわけではありません。セールスレターを構成する上でのチェック項目として使うと、より印象的で興味をひく内容になります。
世界でも有名なピアノコピー
次にサンプルとして世界でもっとも有名なセールスレターのひとつをご紹介します。内容は音楽スクールの宣伝ですが、「負け犬だったはずがヒーローになる」というストーリー性が強いコピーです。
このコピーを読むと、スカッとするというか、気分がよくなるし、自分にもできるんだと信じ込ませる心理的要素が強いように思います。古典コピーと言われ、いたるところでスワイプされて形を変えて使われているレターです。
ジョン・ケープルズという伝説的セールスライターが書いたレターです。こちらのレターを参考に基本構成がどのように書かれているかを確認してみてくださいね。
まとめ
セールスレターの基本構成をご説明しました。
1.ヘッドライン
2.オープニング
3.ボディコピー
4.クロージング
レターの最大の成功要因:ビッグアイデア
初めてセールスレターを見ると、文章の多さからどこからどこまでがどうなっているのかを理解するのは難しいと思います。ですが、大枠の構成が分かれば全体がどのように構成されているのかが見えてくるのではないでしょうか。
初めてのときは、必ずといってよいほど「全体像」を理解する必要があります。理由は、全体の中のひとつひとつのパーツしか見えていないと、全体を作り上げることはほぼ不可能か恐ろしいほどの時間と労力がかかるからです。
ジグソーパズルのパーツは揃っているのに「どんな絵なのか」が分からないまま仕上げるのって時間がかかると思いませんか?全体がぼんやりでも分かっていると、ひとつひとつのパーツが持つ役割が見えてきます。キャラクターがいるパーツなのか、おもに背景を表現するパーツなのか、これが分かるだけでもパズルを仕上げるための情報としては十分じゃないでしょうか。
同じようにセールスレターもゼロからすべてを仕上げていることはほとんどありません。必ずといっていいほど、スワイプされているネタ元があります。パズルのように組み合わせて構成されている、このことだけでも理解しておくとセールスレターへの理解も格段にあがるはずです。
ぜひ、本記事がセールスレター作成の手助けになればと思います。