消費者を動かす広告の裏には「自我の変形」が隠されています。って言われたら「あの、、、自我の変形」ってなんですか?と誰もが思うはずですね。例えば、香水を例にとったときでいえば、、、
この香水を使えば、あの女優のようになれる
このようなことが読み手の自我(エゴ)を変形していることになります。堅苦しい言葉だと分かりづらいので、このあとわかりやすくご説明しますね。
本記事では、広告・セールスコピーに携わる方の視点から読み手を動かすテクニックの1つ、読み手のエゴを商品イメージと結びつける方法についてご説明しています。
読み手のエゴを商品イメージと結びつける方法
- 自分に足りないものが簡単に手にはいる
- 足りている人にはこの商品サービスがそれを印象づける役割になっている
- キーワードは「自尊心」
「自我の変形」と言われる心理技術で、読み手のエゴを商品サービスに変えてしまうことです。逆にいえば、商品サービスを使えばあなたのエゴが満たされることをイメージさせることになります。
消費者は「好ましいもの」を買って自我の価値を高め、自分に足りないものを合理的に処理している。
(プロパガンダ-広告・政治宣伝のからくりを見抜く)
商品サービスを広告またはセールスレターで書く際に消費者の心を動かすテクニックの1つになります。それがもっとも有効に働くのは視覚的な情報を読み手が受け取れるとき。理由は、相手がイメージしやすいから。
言葉で表現するのも良いですが、鮮明なイメージが出来たほうが、相手にあたえる印象はより強くなります。
具体的には2パターンの方法で使われます。
自尊の裏付け
自尊・・・自分自身をすぐれたものと思い込むこと
人は人よりも優れていることに対して持つ優越感を感じたい生き物です。なので、これを使っているから、わたしは他の人よりも優位にたっていると思わせることで、消費者の自尊心にアピールすることが可能になります。
例えば、、、
こちらの画像を見てこのバッグが欲しいと思う女性がいたら、その心理はバッグが欲しいのではなくてこのような深層心理が働いているのです。
- どの女性よりも透明感があって美しくいたい
- 女性をも魅了するセクシーさでいたい
- 男性が見とれるプロポーションでいたい
- すれ違う人が振り返る抜群のセンスでいたい
こちらは男性用香水の宣伝用画像です。男性が見たらどう思うでしょう?
・超クール
・女性をウットリさせる男になれる
・男らしい男がつける香水
このように、それぞれ本来はバッグと香水を宣伝するための画像です。ですが、バッグを持つことで自分もかの女優と同じスペックの女性、香水をつけることであの男性と同じくらい魅力的な男性であるということを示したいがために人はこれらの商品を欲しくなるわけです。
上記2つの例の、女優と男優があたえるイメージをすでに持っている人は、その商品を持つことで自分のエゴを周囲に公表したいがために商品を買います。
ポイントになる点は、女優も男性も宣伝されている商品とは全く関係がないという点です。広告の持つイメージなんですね。ただ、そのイメージの中に人は自分のエゴを変化させてしまうことで、これは自分に必要なものだと感じてしまう、ということです。
肉体的魅力、知性、経済的成功、性的能力は人間が手に入れたいと思う欲求なので、これらに焦点を合わせてアピールすることがもっとも効果のでる方法です。その証拠に高級ブランドの宣伝に、機能性や価格をうたう広告を目にすることがあるでしょうか?
権威への所属
消費者が「わたしさ、〇〇の商品もっているのよ」と人に自慢したくなるときはどんなときでしょうか。
例えば、、、「青山にある、シュブドゥオプトゥニール(架空名です)は、各界のセレブにご愛用いただいている由緒ある美容室です」というと消費者はどう感じるでしょうか。店内にはトリートメント直後のおしゃれセレブの笑顔の写真がある。待合室もゲストがくつろげる落ち着いた空間。
「わたしの住んでるところにも美容室はいっぱいあるけど、おしゃれでいたい私にとってはシュブドゥオオプトゥニールしか思いつかないわ」
このパターンでも消費者はエゴをアピールできます。
他にも、、、
あのスティーブ・ジョブズをもうならせたプログラミングソフト
実はパリ・コレ モデルたちが足しげく通っている、ヴィクトワーヨガ
イチローの現役時代を影から支えた魂を宿す日本のバットメーカー
名だたる実業家が例外なく起業時に学んでいた「マーケティング術」
このように、権威性を持たせることで消費者は商品サービスを使いたくなります。そして「その商品サービスを使うわたし」は他の人とは違ってエグゼクティブな目利きなんですよ、というエゴをアピールすることができるのです。消費者の自尊心を満たせる格好の方法になります。
まとめ
読み手のエゴを商品イメージに結びつける方法についてご説明しました。
- 自分に足りないものが簡単に手にはいる
- 足りている人にはこの商品サービスがそれを印象づける役割になっている
- キーワードは「自尊心」
2つの具体的方法
- 自尊の裏付け
- 権威への所属
誰でも自尊心を強く持っているわけではないので、誰に対しても有効かといわれるとそうではありません。しかし、エゴに訴えかけることで消費者を説得することのハードルは下がります。むしろ、ぴたっとハマれば抵抗することはないでしょう。
心理戦略を有効に使うことで、読んだ人が自分から動くようになります。