ダイレクトレスポンスマーケティングを知っていると知らないとでは、マーケティング活動においての結果に圧倒的な差がでてきます。
もし、マーケティング活動をこれからしていこうとする場合、知っていれば計画を作成し、それに沿って実行が可能です。知らないと何をしていいのか分からない状態からのスタートになりかねません。何をしていいのか分からないと無駄にお金と時間を消費することにもつながります。
本記事では初心者向けにダイレクトレスポンスマーケティングについて丁寧に説明していきます。
ダイレクトレスポンスマーケティングとは
DRMと略されるダイレクトレスポンスマーケティングは下記のように定義します。
宣伝広告などを通じてお客さんからの反応を直接もらい、コミュニケーションを取りながら関係性を築き上げていくマーケティングのこと
データ収集やテストを行って改善していくことが可能なもの
英語ではDirect Response Marketing (直接反応型マーケティング)と書きます。
では、具体的にどのようなものなのでしょうか。
DRMの具体例
一例として見込み客が商品・サービスを買うまでの流れをご紹介します。
<見込み客の視点>
1.認知する
・見込み客が商品やサービスがあることを知る、興味を持つ
2.無料申し込みをする
・無料で購入できる商品やサービスへの申込み
・資料請求、お試し品、クーポンなど
3.商品・サービスを試す
・実際に商品やサービスの一部を無料で体験する
4.正規商品を購入する
・商品、サービスが気に入ってお金を支払って購入する
5.定期的に商品・サービスの案内を受け取る
・定期的に送られてくるメールやチラシを見る
6.興味のある商品・サービスを購入する
・継続的に商品、サービスを購入する
※売り手は買い手との関係性を維持するために、メールやチラシを継続的に送る
2では申し込みができるように、電話番号をのせたり、購入手続きページにジャンプするリンクを貼ったりします。
見込み客がすぐに行動できるようにしておくことで、見込み客の方から申し込みをするようにしているのです。
申込みをしたあとは、メルマガやチラシが送られてくることで売り手との関係性が維持されるようになります。
売り手の視点でこの流れを見てみます。
<売り手の視点>
1.宣伝・広告を出す
・見込み客に認知してもらうため
2.リストの獲得
・無料オファーなどで見込み客のメールアドレスや個人情報を収集する
3.無料オファーの商品、サービスを提供する
・見込み客に商品、サービスの価値を実際に感じてもらうため
4.正規品の購入を促す
・無料提供の際に折込チラシであったり、メルマガに購入用リンクを貼ったりする
5.定期的な関係性の維持
・メルマガ、チラシなどをつかう
・実際に購入をしてくれなかった見込み客との関係性も維持する
・実際に購入をしてくれた顧客には、商品、サービスの紹介を続ける
・継続的なセールスを展開する
2のリスト獲得によって、見込み客とダイレクトなやりとりが可能になります。ここでいうリストとはメールアドレス、住所、電話番号のことをいいます。
ダイレクトなやりとりとは見込み客に対して個人的に関係性を築いていくことです。一般的なチラシは世間一般の人に向けて作成されている場合が多いです。
薄毛に興味のある人であったり、化粧品に興味がある人だったりに向けてですが個人的にやりとりすることはできないですよね。
見込み客のメールアドレスにメールを送れば、見込み客に対して情報を発信できます。
ダイレクトレスポンスマーケティングとはこのように、個人に対してコミュニケーションがとれるマーケティングのことをいいます。
DRMの特徴とは
特徴は下記の5つです。
1.レスポンス(反応)
2.計測が可能
3.様々な宣伝媒体で使用可能
4.データの収集が可能
5.費用対効果
ひとつずつ説明していきます。
1.レスポンス(反応)
お客さんから直接の反応をもらうことができるということです。
注文、資料請求、問い合わせ、といったお客様の行動が表れることが特徴です。
2.計測が可能
例えば、このチラシで何人がどのくらい注文したか、といったように反応の結果が数字として計測することが可能です。
3.様々な宣伝媒体で使用可能
オンラインに限らず、オフラインのチラシや新聞広告など幅広く使用することが可能です。
4.データの収集が可能
例えば、見込み客1000人に対してこのセールスコピーを送付したら注文が2%だった。AとBでテストしたらAの方が反応が良かった、など結果をデータとして収集することが可能です。
データを参照しながら、うまくいったやり方を見つけ出すことができます。
5.費用対効果
広告費いくらに対して売上が〇〇円のように、支払った金額がどれくらいの売上をあげたのかを計測、管理できます。CPOとLTVを算出することで、どれだけの利益になるのかを試算することが可能です。
DRMの専門用語
ダイレクトレスポンスマーケティングでよく使われる用語の説明をします。
見込み客・・・商品やサービスを購入してくれる可能性のあるお客様のこと
リード・・・見込み客のこと。リード獲得とは見込み客を集めること
リードジェネレーション・・・リードを獲得するための活動をさす
リスト・・・見込み客や購入者のメールアドレスまたは氏名や住所などの情報
オファー・・・取引条件のこと
メルマガ・・・不定期にリストに送付するメールマガジンのこと
ステップメール・・・あらかじめ決められた日時に送付する内容が決まっているメール
CPO・・・コストパーオーダー(Cost Per Order)1注文あたりの顧客獲得コストのこと
LTV・・・ライフトータルバリュー(Life Time Value)1人の顧客が生涯どれだけの利益をもたらすかの平均額
フロントエンド・・・集客用商品。FEと略す場合もある
バックエンド・・・利益商品。BEと略す場合もある
成約率・・・反応率、コンバージョンとも呼ばれる。例えば1000通のセールスレターに対し20人が注文をしたら成約率は2%ということになる
セールスレター・・・売り込みをするためのレター。見込み客や顧客がレターを読むことによって購入したいと思わせる構成になっている
セールスライティング・・・セールスレターを書くためのスキルのこと。単純に言葉を並べるだけでは成約にいたらない。成約させるためのライティングスキルをいう。コピーライティングとも呼ばれる
ランディングページ・・・リストを獲得するためのセールスレター形式のページのこと
オプトインページ・・・リスト獲得のための記入用ボックスがあるだけのページ
コールトゥアクション・・・見込み客、顧客に行動を呼びかけること。今すぐお電話くださいや資料請求はこちらまで、など具体的な行動を指図する呼びかけのこと。
マーケティングとは
そもそもマーケティングとは何なのでしょうか。
マーケティングの定義はさまざまあり、これだ!というものはありません。が、
有名な経営学者ピーター・ドラッカーはマーケティングをつぎのように言いました。
「マーケティングの目的は、販売を不必要にすることだ。マーケティングの目的は、顧客について十分に理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにすることなのだ」
かみ砕いて言うなら見込み客がセールスまで流れる仕組みをつくることだと考えます。
リードの獲得からはじまり、リードと顧客が自然と商品・サービスを買うための道案内をすることです。
ビジネスをする上ではセールスがもっとも重要になってきます。売上がないと売り手が活動していくことは現実として厳しいからです。
ただ、飛び込み営業やテレアポのように単純な氏名と連絡先の羅列といえるリストに手当たりしだいにアポをとってセールスしても効率はよくありません。
それよりも、まず売っているものに興味を持つリストを集めて、そのリストに対してセールスを仕掛けるほうが効率の面でも成約率でも良い結果がでる可能性が高いはずです。
マーケティングとはセールスすることが圧倒的に楽になるためのプロセスを考えることだと言い換えることができると考えます。
レスポンス広告とイメージ広告とは
レスポンス広告とは
日本でレスポンス広告が有名な企業を事例としてご紹介します。
例1 再春館製薬所
例2 ジャパネットたかた
例1 再春館製薬所
[arve url=”https://www.youtube.com/embed/jUgW051qMB4″ title=”再春館製薬所 ドモホルンリンクル30代からの年齢化粧品 1995年 CM” description=”ドモホルンリンクルの無料お試しセットのCM” muted=”yes” /]
年代が古いですが、あえて分かりやすい事例をご紹介しています
CMの最後に無料お試しセットのお申込みを促すために電話番号が映し出されました。
化粧品を試してみたいと思った見込み客はどのような行動をするでしょうか。
おそらく表示された電話番号に電話をかけるはずです。
このようにお客さん自らが行動しやすいようにあえて最後に電話番号を表示しています。電話番号が載っていなければ、試してみたくてもすぐに申し込みはできませんよね。
すぐに申し込みができないとお客さんは興味が薄れてしまう可能性があります。コールトゥアクションでお客さんがすぐに行動できるようにしています。
※現在ではフリーダイヤルは廃止されています。現在はCM最後に検索キーワードが映されます。
例2 ジャパネットたかた
[arve url=”https://www.youtube.com/embed/a-AdsQ0ourc” title=”ジャパネットたかた レイコップCM「ふとん専用ダニクリーナー」2014年” description=”ジャパネットたかたの高田社長がレイコップをプレゼンしています” muted=”yes” /]
こちらも商品宣伝の最後に電話番号が表示されています。電話番号と検索窓も映っていますね。
商品宣伝中も右上には電話番号とジャパネットのURLが表示されていました。
ジャパネットの場合も商品をほしいと思ったお客さんに電話してもらうか、インターネット
検索してもらうことで商品購入のアクションをとるように促しています。
いかがでしょうか。どちらも見込み客が行動するための施策(コールトゥアクション)を行っています。
・電話をかけてもらう(電話番号を表示する)
・ネットで検索をかけてもらう(キーワードを指示している)
現在のCMでは「〇〇で検索」といった表示が当たり前のようになってきましたが、これもレスポンス広告にあたります。
イメージ広告とは
これはブランドのイメージを良くするための広告です。レスポンス広告のように、この広告を出したら反応がこれくらいあったという計測をすることはできません。
ソフトバンクのCMを見てスマホの新規契約数が増えたかどうかは絶対に分かりませんよね。ナイキのCMを見てスポーツウェアの売上が増えたかどうかも判断つかないと思います。
ブランド広告とは数字に表れる結果を見られることはないということです。個人的にはイメージを良くしたり、認知度を上げたりするための広告と捉えています。
年商300億円以上の規模の企業であれば、レスポンス広告とイメージ広告の併用で効果が高まると言われています。
例えば、10年ほど前に住宅メーカーが合併してできたリクシルの初期のCMはブランド広告といえます。認知度が低いが資金力はあるリクシルがリクシルというブランドを知ってもらうためのCMとして放映していたのではないでしょうか。
[arve url=”https://www.youtube.com/embed/yYH_KeMoQYs” title=”リクシルって知ってる?第1~7話” description=”リクシルって知ってる?を散りばめたCM” /]
[arve url=”https://www.youtube.com/embed/mjpaId4SK50″ title=”~ついに”リクシル”の謎が解明する特別篇~リクシルって知ってる?第8話” description=”リクシルって知ってるの完結篇” /]
DRMでのコピーライターの仕事とは
DRMでのコピーライターの仕事は主に以下のものがあります。
1.セールスプロセスの作成
2.セールスコピーの制作
3.メルマガ・ステップメールの制作
4.ランディングページの制作
1.セールスプロセスの作成
セールスまでのプロセスを考えることです。
クライアントの業種によって、広告媒体をどれにするか、リード獲得の方法、リストに対してのアプローチ方法など、どうやったらより売上をあげることができるのかを計画します。
コピーライター(セールスライター)はセールスを最大化することが仕事です。
2.セールスコピーの制作
リードの獲得時やリストに対して送付するセールスコピーの作成です。
質の良いリストの獲得・バックエンドの購入をうながすためには必要不可欠なものになります。
当然セールスコピーのレベルが低いと、質の低いリストの獲得や成約に至らない結果をうむことになります。
3.メルマガ・ステップメールの制作
関係性の維持のためやFEやBEを購入してもらうために必要な作業です。
リストに対して有益な情報や興味が湧く内容を送付することで、関係性も強くなりセールスに大きく影響します。
4.ランディングページの制作
ランディングページはリストの獲得とFE・BEを実際に販売を目的としたページのことです。セールスコピーは文書の内容に対して、ランディングページはページ全体の構成を指します。
デザインであったり、見やすさ・分かりやすさの構成であったり、成約率に影響する部分も念頭に設計していきます。
まとめ
ダイレクトレスポンスマーケティングは費用対効果が明確なマーケティングです。
計測やテストができることが強みなので、反応や結果を見ながら施策を改善していくことが可能です。
知っておいて損はないマーケティングになります。もし、あなたがマーケティングについての知識をつけたいと考えているなら、ぜひダイレクトレスポンスマーケティングについて勉強することを強くおすすめします。
理由は、ダイレクトレスポンスマーケティングほど顧客との関係性を感じるマーケティングはないからです。しかも結果が目に見えるため、自身のレベルアップにもつながります。
ぜひ、あなたの活動の参考にしてください。
PS.
リクシルのCMが放映されていたとき何でこんなCM流してるんだろうと思ってました。
今思えば当時はINAXと付き合いのある企業に勤めていたから、リクシルのことは知ってたので余計にそう感じたんですね。
マーケティングを知らない視点で見るとただのCMかもしれませんが、マーケティングを知っていると放映する意図が見えることがあります。
記事を書いていてリクシルのことがぱっと思い浮かんだので、参考事例としてのせてみました。