人間の欲求はどんなことをしても取り払うことが難しいものです。理由は生物学的にプログラミングされているから。
読み手を動かすセールスコピーは、この「人間の欲求」を踏まえて構成されています。つまり、読み手を動かすセールスコピーを書くためには人間の欲求を理解することが最善最短の方法なんですね。
人間の欲求
セールスコピーで見込み客を動かす方法
本記事ではこれらについてご紹介していきます。
誰にでも共通する8つの欲求
人間が生物学的にプログラミングされているのは以下の8つの基本的欲求です。
8つの基本的欲求
- 生き残り、人生を楽しみ、長生きしたい
- 食べ物、飲み物を味わいたい
- 恐怖、痛み、危険を免れたい
- 性的に交わりたい
- 快適に暮らしたい
- 他人に勝り、世の中に後れをとりたくない
- 愛する人を気遣い、守りたい
- 社会的に認められたい
これらの欲求は人が死ぬまで縁が切れることはありません。つまり、人はこの8つの欲求を死ぬまで満たそうとします。欲求が押さえ込まれると緊張やストレスがかかりますよね。そのストレスをとっぱらって欲求をみたすために人は動こうとするわけです。
例えば、、、
・高速道路で自分の子供に道路を横断させてなにも感じずにいられますか?
・死ぬまで自分がまずいと思うものだけを口にすることができますか?
・家もなく孤独でいたいですか?
いかがでしょう。イメージしただけでも否定的な感情が起きるのではないでしょうか。
セールスコピーも同じで、8つの基本的欲求に働きかけることが見込み客を動かす強力な要因になります。人は感情で物を買い、理屈で正当化します。基本的な欲求に触れて感情的に反応させることで見込み客は動くのです。
ちなみに、とくに強く人が反応するのは性と自己改革についてだそうですよ。
9つの欲求(2次的欲求)
基本的8つの欲求以外にもまだまだ欲求はあります。つぎの9つの欲求は後天的なもので、基本的欲求の二次的なものと思ってください。
- 情報がほしい
- 好奇心を満たしたい
- 身体や環境を清潔にしたい
- 能率よくありたい
- 便利であってほしい
- 信頼性、質のよさがほしい
- 美しさと流行を表現したい
- 節約し、利益をあげたい
- 掘り出し物をみつけたい
どれも欲求としては強いですが、8つの基本的欲求にはとてもかないません。理由は生まれながらに備わっているものではないからです。8つの欲求の前には、これら9つの欲求はかすんでみえなくなってしまいます。
例えば、、、
・きちがいな人間が自分の子供に襲いかかったら子供を守ろうとしますか、それをシカトして掘り出し物のカーテンを買いに行きますか
・大好きな異性とのエッチよりも、メルカリでフォローして30円値引きしてもらうほうが魅力的でしょうか
きっと答えはハッキリしていると思います。
この例えを見ると、人間の基本的8つの欲求がどれだけパワフルなものかが分かるはずです。しかし、基本的欲求は自分自身がそれに気付いていないことが普通です。むしろそうするのが当たり前だと思っています。
2次的欲求を例にして、基本的欲求に働きかけることが抜群に効果的だということを理解していただけたのではないでしょうか。人間は基本的欲求に反することがあると、欲求を満たそうと動き出します。
つまりセールスコピーで基本的8つの欲求にアピールできれば、欲求を満たすために行動しようという動きが読み手に生じることになるのです。
より効果的に見込み客を動かす秘訣
突然ですが質問です。ランチに誘われたとします。あなたなら、どちらに興味がわきますか?
B.本場イタリア産の石窯を750度まで加熱し、モッツァレラチーズがぷつぷつと泡をたてるまで焼き上げた、生地はサクッとクリスピースタイル、毎朝手作りの新鮮で真っ赤なトマトソース、上品な香りのオリーブオイルとスパイシーなバジルの入り混じった香りが食欲をそそる、イタリア職人がつくる熱々のマルゲリータピザを食べに行こう!
おそらくBではないでしょうか。なぜなら、視覚的なイメージが頭の中で浮かぶからです。セールスコピーの場合も具体的で視覚的な表現をすることで、商品を使うとどうなるのか、サービスからどんなメリットが得られるのかがイメージしやすくなります。
見込み客の頭の中でイメージできることで、買うより先に商品・サービスを疑似体験でき、その体験の中で商品・サービスを使う喜びが膨らむことでより欲しいと思う気持ちが強くなるのです。イメージさせる量が少ないと相手への影響力も少なくなります。イメージさせる情報が多いほうがより相手への影響力を増すことができるんですね。
これが大事になります。人間はイメージと現実の区別がつかないので、鮮明なイメージを与えられれば、現実のものとして体が反応してしまうのです。
お客さんの行動心理は理解しておこう
1. 人は感情で物を買い、理屈で正当化する
2.人は売り込まれるのが嫌
3.人はニーズではなく、強い欲求(ウォンツ)で物を買う
人は感情で物を買うというのは、セールスコピーの大原則です。さらに、ニーズよりもウォンツ(欲求)で物を買います。ニーズで売れる商品もありますが、ウォンツがあたえる影響のほうがはるかに強いです。
このようにキーワードとなるのは感情です。となると、商品をひたすらアピールすることよりも、見込み客の心理にアピールすることが何よりも効果的だということが理解できるのではないでしょうか。
ウォンツとはどんなものなのか
ウォンツについてですが、以下2つの側面があります。
- 何かを得たい欲求
- 何かを避けたい欲求
何かを得たいとは、お金がほしいとか健康的な身体になりたいとかです。何かを避けたいとは、損することはしたくない、病気のリスクはとりたくないとかです。例えば「虫歯になりたくない、だから歯磨きをする」というのは虫歯になることを避けたいという欲求を満たすために、歯磨きという行動をするわけですね。
2つの欲求も意識してセールスコピーを考えると、より読み手をセールスレターに引き込めることができるようになります。
商品ではなく、人間の感情に焦点をあてることが何よりも大切です。
セールスコピーでおさえておくべき5つのポイント
- 人間の基本的8つの欲求を理解する
- 見込み客を動かすセールスコピーにするために8つの欲求を意識する
- 8つの欲求を刺激するのに効果的なのは、実際に自分が商品を体験しているかのような具体的なシーンをイメージできるように表現すること。表現できれば、見込み客はこの商品こそが自分の欲求を満たしてくれると期待する
- 商品が欲求を満たす結果をもたらす証拠をみせる。証拠を見せることにより商品を買いたい気持ちが最高潮になる
- 最後は見込み客に行動を起こしてもらうために、コールトゥアクションを行いクロージングをする
この流れを見ると1~3は見込み客の感情や心理についてアピールしているのが理解できます。その後に証拠を提示してCTA(コールトゥアクション)を行うのです。つまり、セールスコピーで見込み客を動かす基本のスタイルは以下のようになります。
1.見込み客の欲求を刺激し商品をほしいと思わせる
2.証拠をみせ信頼をえる
3.CTAを行う
証拠の提示のやり方、行動をうながす心理テクニックも数多くあります。しかし、最も大事なことは見込み客の欲求にアピールすることです。アピールが中途半端な状態で行動をうながされても相手は不快感を覚えるはずですから。
商品の良さを伝えているつもりが、商品の特徴を単に並べて書き出しているセールスコピーは数多くあります。それでは、見込み客が動くことは期待できません。
✔ 見込み客の頭の中にどれだけ入り込むか
✔ 見込み客の欲求をどれだけ理解するか
見込み客を基点に考えることが、セールスコピーの結果に大きな影響を与えます。
さいごに
広告の99%はたいしたものを売っていない
by デイヴィッド・オグルヴィ
こう言われたゆえんは「人を行動させる広告」があまりに少ないから。広告の目的はなんでしょうか。
この一点のみです。読み手に行動してもらうために、広告セールスコピーを通して説得します。この説得の一部に心理的駆け引きが存在するのです。心理的駆け引きを学ぶことで、説得することが可能になります。
もしも、これらが分かったら、、、
・人が何を求めているのか
・人は自分の求めているものをどう思っているのか
・なぜ人はそういう行動をとるのか
あなたはつぎのことができるようになります。
心理的駆け引きができるようになるためにも、人間の欲求を学ぶことが大切です。まずは基本をおさえる。そしてどのように刺激とアピールをするか。このことが反映されていれば人を動かす価値あるセールスコピーになるのです。
反応のとれるセールスコピーにするためにも人間の欲求を学んでみましょうね。一度学べばよいかと言われるとそんなことはない、奥の深~いものです。