集団心理を知っていると、人はどのようにして自分の行動を決めているのかが分かってきます。集団に関係する行動心理として、、、
バンドワゴン効果
集団帰属欲
これら2つは集団を利用することによって、人を動かす心理的効果があります。今回は、この2つを掛け合わせることで見込み客が動かずにいられない心理戦術についてご紹介します。
集団を活用し見込み客が商品を買う心理戦略
- 憧れの集団が愛用している商品サービスをアピールする
- ターゲット集団の態度や価値観を商品サービスと結びつけ、明確にアピールする
- 非ターゲットと明確な違いを、所属している集団にアピールする
集団帰属欲が根底にあり、所属したい集団または所属している集団と商品を結びつけることで、自分は受け入れられていると感じ、商品に対する大勢の好意的な意見(バンドワゴン効果)を正しいと感じる心理が働きます。
つまり、所属したい・所属している集団からの好意的な意見が数多くあると、人はその商品を買いたくなってしまうのです。商品の特徴やメリットを並べるよりも、何らかの集団に所属したい意識が強いことが購買の決め手になります。
「わたしはこの集団に所属しているんだ」という受け入れられている感情と、バンドワゴン効果により説得力のいる主張をしなくても商品サービスが受け入れられ、買うという行動をしやすくなるのです。
理解を深めるために、バンドワゴン効果と集団帰属欲についてもう少し詳しくご説明します。
バンドワゴン効果とは
バンドワゴン効果とは、ある選択肢が多数の人に支持されていることで、その選択肢がさらに選ばれやすくなる現象
引用元:STUDY HUCHER
日常生活での例でいうと、、、
- お昼どき、行列のできるラーメン屋は人気だと思って並んだ
- 空を見上げる人が10人ほどいて、同じく空を見上げた
- 赤信号だけど渡る人が多いから、自分も同じように渡った
このように、大勢の人が行う行動に便乗することがバンドワゴン効果だと僕は解釈します。悪くいえば、人は多数派の行動や意見に流されやすい傾向がある、ということです。
流されてしまうと聞くと不快に思うかもしれませんが、大勢の人が支持している行動を見ると「そちらの方が正しい」とか「支持されているから良いんだろうな」といった心理が働き、仮に自分では違うと思っていても同調して同じ行動を支持してしまう傾向があるからです。
セールスの観点でみると、このように考えられます。
例えば、、、
集団帰属欲とは
集団帰属欲・・・何らかの集団に属していたい欲求
マズローの欲求5段階説の第3段階の欲求は、社会的欲求と呼ばれています。
社会的欲求とは
集団への帰属や愛情を求める欲求であり、「愛情と所属の欲求」あるいは「帰属の欲求」とも表現されます。
引用元:ferret
この社会的欲求が集団帰属欲になります。つまり、何かの集団に所属していることで「自分は受け入れられている」「自分は価値のある人間なんだ」と思うのです。
人間の構成する集団は3つあります。
- 憧れの集団・・・所属したいと思う集団
- 連帯する集団・・・自分の考えや価値観をともにする集団
- 関係を断つ集団・・・属したくない集団
セールスするには上記3つの集団と商品サービスを密接に結びつけてアピールすることが必要です。
1.憧れの集団に所属させる同一感を持たせる
2.連帯する集団(ターゲット集団)の態度や価値観を明確にアピールすることで、商品と密接に結びつける
3.関係を断つ集団(非ターゲット集団)と分離して、連帯する集団(ターゲット集団)に受け入れられているように見せる
憧れの集団に所属させる同一感を持たせるとは、例えば、あなたが野球少年だったとして憧れのメジャーリーグ・ヤンキースのキャップをかぶることで憧れの集団に所属している感覚を得られることです。
ターゲット集団の態度や価値観を明確にアピールすることとは、例えば、ターゲットがファッションは個性的が当たり前と思う20歳代の男女だとしたら「個性的でおしゃれなファッションは20歳代の若者たちが創造する、わたしたち洋服屋はあなたの価値観に応えます!」といったものですね。
ターゲットにしていない集団と分離するというのは、上記の洋服屋の文言に「当店は無難な洋服とは無縁です」といった普通の服は売ってませんよ、と切り離してしまうことでターゲット層が受け入れられているように見せることです。
まとめ
- 憧れの集団が愛用している商品サービスをアピールする
- ターゲット集団の態度や価値観を商品サービスと結びつけ、明確にアピールする
- 非ターゲットと明確な違いを、所属している集団にアピールする
これらは集団帰属欲という人間の欲求と、所属したい集団に商品サービスを結びつけることで、バンドワゴン効果を発揮し、商品サービスが買いたくなる心理戦術です。
2つの意味が理解できれば、活用方法の幅も広がってくるかと思います。大衆や多数の人を活用しアピールすることで、見込み客はおのずと商品を買う行動を取ってしまうほど強力なものなので、ぜひ使ってみてください。