商品とは何か?見込み客は商品を買うのが目的ではなく〇〇が欲しい!

商品とは何でしょうか?売れている商品には秘密があります。それは商品のデザインがいいからとか使い勝手がいいとか、そういうこともあるけどその理由で見込み客は商品を買っていません。

 

あなたがお客さんだったとして、店員からこんな風に話しかけられました。「この商品はおしゃれですよ」「この商品は機能性が抜群なんです」と。それを聞いたあなたは「なるほどなるほど、じゃあ買いましょう!」って展開にはきっとならないはずです。

 

理由は、あなたが買いたいのは〇〇だから!・・・ですよね?

 

この記事では商品とは何かを知り、見込み客に商品を買う動機づけを促す心理戦術についてご紹介しています。

商品とは何か

見込み客の目的を達成するための手段(のひとつ)
ドリルを使うのは、、、

見込み客はドリルではなくて、穴がほしいんです。

これは有名な例えですが、見込み客は穴という結果が欲しいんですね。つまり、ドリルが欲しくてたまらないから買うわけじゃない。もう少し掘り下げてみると、なぜ見込み客は穴という結果が欲しいのでしょうか?

 

穴の大きさはどれくらいほしいのでしょうか。穴を開けたい材質は木材でしょうか、鉄鋼でしょうか、石やコンクリートでしょうか。そもそも、なぜその穴を開けたいのでしょうか。

 

これらの問いの先に見込み客の本当の目的が見えてきます。

 

もし、見込み客の目的がお腹が膨れるくらい食べることであれば、コンビニでおにぎりを買うか、レストランで食事するか、吉野家のようなファストフードで食べるか、家で自炊したものを食べるか、実家に食べに行く、彼女に料理をつくってもらって食べる、などのさまざまな手段を選べます。

 

これらの手段のひとつひとつがお腹を満たすという結果を達成するための、商品になるわけです。

 

他の例えであれば、、、

  • 目的:手をよごさずに食事をする 手段:お箸・フォーク
  • 目的:物を両手に抱えずに移動する 手段:かばん・リュック
  • 目的:紙に消えない文字を書く 手段:ボールペン・サインペン
  • 目的:物理的な遠距離の相手とリアルタイムの話をする 手段:電話・チャット
  • 目的:夜でも明るい部屋にする 手段:照明
  • 目的:気持ちよく眠る 手段:ベッド・布団
  • 目的:足への負担をかけないで歩く 手段:運動靴

このように見込み客は商品が欲しくて買うわけではありません。商品を通して得られる結果(目的を達成すること)が欲しいんですね。ですから、商品とはある目的を達成するためのひとつの手段なんだということを認識しておくと、理解できてくるのではないでしょうか。

見込み客はベネフィットが欲しくて商品を買う

その商品サービスを通して見込み客が得られる最終的なメリットのこと

 

初代iPod(2001年)

ベネフィットはセールスする上でとても重要です。商品の宣伝をする場合に、特徴をとかく書いてしまうと、相当なマニア以外の見込み客の心には響くことがないからです。

 

例えば、どちらの方が見込み客の心を動かすでしょうか。

商品:初代iPod(2001年に発売)

A. 大きさが102×61.8×19.9(mm)で重さは185gです。5GBのハードディスクドライブを搭載した携帯型の音楽プレーヤーです
B. 1000曲の音楽をポケットに入れて持ち運べます。

 

iPodの最初の宣伝は、Aのような特徴を伝えていたようです。でも、ぶっちゃけ特徴だけ聞いても「よく分からん」ですよね。発売当時はiPodのようなポータブルオーディオは存在してなかったですから。スティーブ・ジョブズが「おれが考える」と言って生まれたキャッチコピーがBの「1000曲の音楽をポケットに入れて持ち運べます」でした。

 

特徴ではなく明確なベネフィットをシンプルに押し出すことでiPodは爆発的なヒット商品になりましたよね。見込み客はこのように、1000曲の音楽をポケットに入れて持ち運べるというベネフィットが欲しくてiPodを買いました。

 

当時CDが主流でしたが、お気に入りの曲を持ち歩くにはCDはかさばるし、重くなります。CDプレーヤーも必要でしたからね。それがハードディスクに保存するから、CDを何十枚も持ち歩く必要がなくなります。CDを持ち歩く必要がないから、大きめのバッグを用意して重たくなることもなくなる。ポケットにはいる大きさだから、持ち運びにも困らない。重たくないから移動しても疲れない。曲を選ぶにもCDプレーヤーのようにわざわざCDを入れ替える手間もなく、スクロールでストレス無く簡単にセレクトできる、といったベネフィットがたくさんありました。

 

 

ここで上記で書いたことを特徴とベネフィットに分けてみますね。

特徴:ハードディスクに曲を保存できる ベネフィット:CDを何十枚も持ち運ばなくていい

特徴:ハードディスクに曲を保存できる ベネフィット:バッグが重くならない

特徴:ポケットにはいる大きさ ベネフィット:大きいバッグを用意しなくてもいい

特徴:重たくない ベネフィット:長時間持ち歩いても疲れない

特徴:スクロールで曲を選べる ベネフィット:曲を変えるとき手間がなくストレスに感じない

 

特徴とベネフィットの違いを理解するのに良い表現があります。

特徴=この商品は~~です(What is ~)

ベネフィット=この商品は~~できます(What does ~)

 

ベネフィットとは見込み客に対して「〇〇できます!」ということです。このベネフィットに見込み客が反応(ワクワク)して、欲しいと思った時に見込み客は商品を買います。

 

ですので、商品をアピールするためには、この商品を使えば〇〇ができます!ということを見込み客にアピールする必要があるんですね。ベネフィットが伝わらないと買う気が起きないのは、きっと先程のiPodの例で分かっていただけたと思います。

まとめ

商品・・・見込み客の目的を達成するための手段のひとつ
ベネフィット・・・その商品サービスを通して見込み客が得られる最終的なメリットのこと

上記の2つの定義を理解することで、見込み客がその商品を買うための動機づけになるアピールをすることができるようになります。

わたしになにをしてくれるの?

どうして商品の特徴を並べても商品は売れないか?
どうして商品の良さだけを伝えても商品は売れないか?

 

その答えは、見込み客にとってわたしに何をしてくれるの?という部分が抜けているからです。見込み客が得たいメリット(ベネフィット)と商品が結びつけば、商品を購入する確率は高くなります。

 

ぜひ、商品とは何かを改めて考えたうえで商品をセールスする意識を持つようにしましょうね。

最新情報をチェックしよう!